ExWHYZ official fanclube “xYZ” 開設記念スペシャル対談
【ExWHYZ】EMPiREはなぜ解散を選んだのか?──渡辺淳之介×篠崎純也×赤窄諒が語る真実

EMPiREが、解散を発表した。
昨年11月23日に千葉・幕張メッセ幕張イベントホールで開催したワンマンライヴのチケットは即完。今年4月からは全国ホールツアー〈EMPiRE DOPE MAGiC TOUR〉を巡るなど、解散の予兆など一切なかっただけに、SNSは大混乱の投稿で埋め尽くされ、さまざまな憶測を呼んだ。
そんな中、6月2日にLINE CUBE SHIBUYAで行われたラストライヴにおいて、WACK代表の渡辺淳之介がステージに登壇し、ユニバーサルミュージック / EMI Recordsと共に、新グループを結成する事を発表した。
新グループの名前は、「ExWHYZ」(読み:イクスワイズ)。
メンバー名の表記は、yu-ki、mayu、midoriko、maho、mikina、now。
本プロジェクトの中心にいる人物を辿っていくと、EMPiREを始めたときの3人の姿が浮かんできた。WACK代表の渡辺淳之介、当時avexスタッフで現在はEMI Recordsの篠崎純也、当時avexスタッフで現在はPEDROなどを手掛ける赤窄諒。3人はBiSHを初期から手がけたトリオでもある。
そんな3名に、EMPiREがはじまったときと同じように取材をオファーし、EMPiRE解散の真相、EMIとのタッグの理由、ExWHYZがどのようなグループになるのか、正面から質問をぶつけた。ExWHYZがどのようなグループになるのか? 詳細はまだわからないが、そこにはかつてのWACKらしさやドキドキを追い求める3人の姿があった。
取材&文:西澤裕郎
本当に終わらせて、新しく始めるのがいいんじゃないかと思うようになった

左から渡辺淳之介、赤窄諒、篠崎純也
- ──EMPiREの解散発表、同一メンバーでの新グループの結成が発表されました。まだ頭が混乱しているのですが、どういう経緯でこうなったのか教えてください
- 篠崎:もともと僕が渡辺さんにEMPiREをもう1度一緒にやりませんか?と提案させていただいたんです。自分なりに考えたプランをもとに、色々と赤窄と話していて。その中で、BiSHの初横浜アリーナ公演のときに、渡辺さんが「解散詐欺やっちゃダメかな?」って話を僕らにしていたことを思い出したんです。そのときは〈TO THE END〉っていうライヴタイトルをつけたんですけど、僕らとしては上り調子のものをマイナスな感情でかき回すことはないんじゃないですかって止めていて。
- 渡辺:やってみたかったのに、止められたの(笑)。
- 篠崎:今回のプランを赤窄と2人で話しているうちに、本当に終わらせて新しく始めるのがいいんじゃないかと思うようになって。一旦冷静になって渡辺さんに「この企画はないでしょと思ったらはっきり言ってください」って相談をしたら、渡辺さんも乗ってくれて。そこから話が進んでいったんです。
- 赤窄:そもそもEMPiREって、「avexと一緒に始めます」って大義名分を掲げてスタートしたプロジェクトでもあるから、avexに筋を通す為にも看板を外した方がいいんじゃないかって話をしていて。ただ、それは篠崎さん自身がハードルを上げているのと一緒じゃないですか? 新しいプロジェクトをやる以上、EMPiREよりいい曲を作らなきゃいけないし、もっとおもしろいことやらなきゃいけない。ただ、そこに関しては、ある程度フォーマットが出来上がっているWACKに対して、EMIとしてプレゼンテーションできたら、めちゃくちゃおもしろいことができるんじゃないかと考えて提案したんです。
- ──いま、EMIの話が出てきましたが、篠崎さんと赤窄さんが現在、どういう立場でお仕事されているのかもお伺いできますか?
- 篠崎:僕は2021年に一身上の都合でavexを退社しまして。今はありがたいことなんですけど、EMIで1つルームを任せていただいて、そこで所謂ルームマネジメントとアイテムをいくつかやらせてもらっています。赤窄とはavexを辞めてからも、ずっと仲良く連絡とかとらせてもらっていて。また一緒にやりたいねってことを前から言っていたんです。
- 赤窄:僕は会社員が合わなくて、いまは無所属でやっているんですけど、EMIの仕事をメインで5個くらいやっていて。WACKではPEDROを担当させてもらっています。
- ──渡辺さんと2人の付き合いはだいぶ長いですよね。
- 渡辺:赤窄は第一期BiSのときからだから10年くらいだし、篠崎さんはBiSHとavexとメジャー契約したときだから、もう7年ぐらいかな。
- ──篠崎さんからEMPiREの解散話を受けたときは、どういう心境だったんですか?
- 渡辺:どちらかというと、ええ! と思って。ただ、EMPiRE自体、篠崎さんと話しながら作ってきたグループだから、そういう意味では、さっき赤窄も言ったようにハードルを上げてでも愛を持ってやってもらえるだろうなと思って、すんなり一緒にやりたいと思いましたね。
- ──メンバーにEMPiREの解散を伝えた際は、どんな雰囲気でした?
- 渡辺:フリーズだよ。睨まれたね。
- ──どのような言葉で伝えたんですか?
- 渡辺:解散するよって。しかも、1週間後の6月2日のLINE CUBE SHIBUYAワンマンをもってということだから、「ええ!」 って感じだったけど、普通に消化できなかったろうね。YU-KiとNOWはめっちゃ泣いていました。MAHOは睨んでいて、MiKiNAはドッキリカメラどこにあるかな…?みたいな感じの表情(笑)。MAYUもフリーズというか、嘘でしょみたいな感じでした。MiDORiKOは「エージェントに会えるの、6月2日だけですか?」って。たぶん、付き合っている相手から別れを切り出されたとき、それぞれこういう反応するのかなって(笑)。

渡辺淳之介
- ──直後に新グループの結成も伝えたと思うんですが、そのときの反応はどうでした?
- 渡辺:そっちの方が泣いていたよね。安堵なのかな。あ、終わるわけじゃないんだって感じはあったかな。単純に伝えたかったのは、コロナ禍で、それこそ有名なグループも解散したりしていたし、本当に他人事じゃないんだっていうのを本人たちにも思ってほしかったんです。だからこそ、今をちゃんと生きなきゃというか、ちゃんとやらなきゃいけない。本当に後がないと思ってやらなきゃいけないんだよって。それはWACKもそうだと思っているので。
いつか来る終わりを最高にできるよう、もう1回始めたいなって
- ──もとを辿ると、篠崎さんのEMPiREへの強い愛情があって動きだしたのかなと思うんですけど、1年ちょっとグループから離れて、どのような気持ちを持っていたんでしょう。
- 篠崎:これは渡辺さんにも言ったんですけど、自分からavexを退社して彼女たちと離れたにも関わらず、やっぱりお前が忘れられないみたいなメンヘラ男的な感じでずっと心に引っかかっていて。自分が辞める前に作ったEMPiREの幕張までのロードマップが無事に終わって、ここからが新しいEMPiREのスタートだなと外側から見ていたんですけど、ネガティブな意味じゃなくて、ちゃんと終わらせてあげたいなと思ったんですよね。女の子のグループである以上、いつまでも続くものじゃないと思ったときに、せっかく何年も頑張ってきたんだから、メンバーもスタッフもお客さんも、最高の青春だったなと言えるような終わらせ方をしてあげたいなって。そう思ったときに、すごくおこがましいんですけど、それができるのは俺しかいないんじゃないかと思い、勇気を振り絞って渡辺さんのところに相談に行ったんです。

篠崎純也
- ──きっかけは、1番いい状態でEMPiREを終わらせてあげたかった?
- 篠崎: 3年後に終わるとか、そういうことを考えているわけではなくて、いつか来る終わりを最高にできるよう、もう1回始めたいなと思ったんです。
- ──篠崎さんは、EMPiREのお父さん的な感じがすごくしますよね。
- 篠崎:渡辺さんとレーベルが二人三脚で立ち上げから一緒に始めたグループってあまりなくて。豆柴の大群はテレビも入っているので、純粋に考えると、立ち上げから一緒にやらせてもらっていたのはEMPiREだけだと思うんですよね。それが自分の中ですごく大きくて。
- ──EMPiRE始動のときも、この3人にお話を聞いたじゃないですか。そういう意味で、もう1回EMPiREを始めるみたいなニュアンスもあるのかなと思ったんですけど。
- 渡辺:同じ感覚だよね。レーベルとか、いろいろな座組は変わるかもしれないけど、もう1回始めるみたいな感じ。BiSのあとにBiSHを始めたみたいな雰囲気なのかなって勝手に俺は思っていますね。
- 篠崎:EMPiREへの思い入れとか抜きにして、渡辺さんと赤窄と僕の3人で、また新しいプロジェクトを始められることにワクワクしていて。2015年にBiSHを一緒に始めさせてもらったときは、道玄坂の狭い事務所のソファで、3人で近距離で何しようとか、あんなことやったらおもしろいんじゃない? ってことを捻り出しながらやっていて。そういったことをもう1回やれたら、僕らもワクワクするし、お客さんもすごく楽しんでくれるんじゃないかなって。僕らも当時より成長できたと思うし、めちゃくちゃ楽しみですね。
- 赤窄:当時は僕も渡辺さんも分からないことが多い中、がむしゃらにやっていたんですけど、僕も他のアーティストと仕事をするようになって、WACKの良さとか、他の事務所のいいところとかも、ある程度見えてきたんです。その状態で、もう1回渡辺さんとゼロからプロジェクトを始められるのは、あのときとまた違った形で楽しみな部分がすごくありますね。
- ──WACKもグループが増えました。もともとはすごく近い距離で仕事をしていた2人が、少し離れて外から見た今のWACKがどう見えているんでしょう?
- 赤窄:僕はいまもPEDROをやっているので、そこまで離れていないんですけど、それでも昔とは印象は変わりましたよね。本当にちゃんとした事務所になったというか。カラーもあるし、お客さんが抱く今のWACKみたいなものもある。そこに、ちょっと一石を投じたいなと思うんです。篠崎さんとも話すんですけど、トップランカーを走っている状態のBiSHが解散するまで、セールスとか動員で勝てないと思うんですけど、BiSHより話題になるようなことをしたり、BiSHよりいい曲を出さないといけないと思うし、それがレーベルの仕事だと思うんです。そこはシンプルにいい曲を作って、おもしろいプロモーションをやって、WACK全体のブランドに新しい色を入れていきたいと思います。

赤窄諒
- 篠崎:この1年の間でも、WACKは相当変わったなと思って。広いオフィスに引っ越しをしたり、今のWACK社員の方で僕のこと知っている人の方が少ないくらいですし。そのぐらい、この1年で大きくなったというのはすごくいいことだなと思いつつ、僕らなりのやり方でWACKのブランディングに貢献できる提案をガンガンしていけたら、もっとWACKもいい形に進んでいけるんじゃないかなと思っています。
- 赤窄:ガンガン炎上するかもしれないですけどね(笑)。
- ──ある意味、炎上も厭わないWACKらしい施策というのは久しぶりな気がします。大丈夫かなと思う反面、ワクワクする気持ちもありますよね。
- 渡辺:そうだね。久しぶりに、しゃべりたくなる燃料投下みたいな感じはあるから。
- 篠崎:これに匹敵するぐらいのショック療法的なことって、「NON TiE-UP」ぐらい?
- 赤窄:いやいや、比じゃないですよ。
- 篠崎:グループが本当に解散しちゃうわけだもんね。
- ──しかも、そんな気配がまったくない中、晴天の霹靂という感じですからね。
- 篠崎:普通に考えたら、幕張メッセのワンマンを即完させて、地方のホールツアーをやっていて、BiSHが解散したあと事務所の看板を背負っていくであろうグループをわざわざ解散させるって、だいぶ頭おかしいことではありますからね。
- ──本当にハードルを上げているわけですが大丈夫ですか……?
- 赤窄:現状上手く進んでいるものを、リスクをとってスクラップするのって、跳ねるチャンスでもあると思うんですよ。渡辺さんは、ずっとそういうふうにやってきたから、上手くいったら、めちゃくちゃおもしろいんじゃないかな。上手くいかなかったら、篠崎さんが……。
- 篠崎:死ぬしかない(笑)。
- ──そこでリスクをとって仕掛けるのは、お客さんを驚かせて楽しませたいとか、エンターテインメントとして誰も想像していないことをやっていきたいからなんでしょうか?
- 篠崎:予想がつくことをやっても仕方ないというか。せっかく新しく始めさせてもらうんだったら、みんなが見たことがない世界線を見せたい。そのぐらいのつもりでやらないとダメだと思うんです。それがグループの解散に繋がるのは、お客さんからしたらふざけんなよって思うだろうけど、それ以上の喜びをたくさん提供していきたいと考えています。
- 赤窄:正直、渡辺さんってこういう人だよねっていうのはあって(笑)。WACKらしさみたいなものって、あったじゃないですか? 今はどんどんみんな同じようなことをやったりして、ちょっとふわっとしていると思うので、「いやー、渡辺さん、やっぱりこういうところあるよな!」みたいなのも積極的に考えて提案していきたいです。アイドルだからできることってあるじゃないですか。そういうものを提案してやれたらおもしろいと思っています。
もう1回WACKじゃないものをやってみたい
- ──グループ名の「ExWHYZ」には、どういう由来があるんでしょう?
- 渡辺:これは、しゃべると長いよ(笑)。グループ名を考える際、僕の原点であるBiSの「B」を基準としていて。EMPiREのときもそうだったんだけど、「B」の次につけるなら「E」だろうと勝手に思っていたの。avexとの共同プロジェクトだったので、CDの並び順もEXILEの隣に入ったらいいなみたいにも思っていて(笑)。CARRY LOOSEのときも、「B」から次は「C」だろうと思って「C」って感じで考えていたのね。で、今回EMPiREが解散するというところで、グループの歴史も感じられるから、「E」を使いたいと思って。で、EMPiREの読み方は「え」から始まるじゃん。次は、「あいうえお」で言うと「い」に行ってみようと考えたんです。「い」だったら「B」と母音も一緒で縁起もいいかなと思って。それプラス、篠崎さんが言っていた、いつか来る終わりのためにちゃんとやるみたいなこともあったから、XYZだったら意味もいいじゃんってことで、ExWHYZ。今後は「x」が小文字になります。
- 赤窄:なかなか「x」を使う場面なさそうですけどね(笑)。
- 篠崎:グループ名を聞いたとき、めっちゃおもしろいなと思って。Exって「元」って意味があるじゃないですか。そういう意味では、元EMPiREが始めるグループっていう意味合いもあるんです。XYZって名前もご提案をいただいて、それもキャッチーだなと思って調べたんですけど既に存在していて。ってなったときに「ExWHYZ」にして、表記は大文字か小文字かみたいなことを詰めていきました。渡辺さんの楽曲のタイトルとかツアー名とかグループ名のセンスがすごく好きで。久しぶりに新しいものを考えてもらってめっちゃうれしかったですね。
- 渡辺:実は「〇〇ズ」ってつけるの、初めてなんですよ。本当はすごく好きなんですよ。セックス・ピストルズとか。
- ──グループ名以外、他に決まっていることって何かありますか?
- 渡辺:やっと今日、メンバーにも話をできて、これから始められるなってところですね。
- ──篠崎さんの中で、構想は明確にあるんじゃないですか?
- 篠崎:もちろん考えてはいますけど、それはお楽しみにしておいていただいて。
- ──過去のEMPiREの楽曲を歌うかどうかもこれから?
- 渡辺:うん、お楽しみに。
- ──衣装の雰囲気とかも?
- 渡辺:お楽しみに(笑)。
- ──今後の楽曲の方向性は?
- 赤窄:お楽しみに。
- ──EMPiRE始動のインタビューもなにもわからなかったんですけど、それ以上に今回はわからないですね(笑)。
- 篠崎:教えないっていう(笑)。
- ──ちなみに、メンバー名はEMPiREが取れて「名」だけが残るんですよね。
- 渡辺:K-POPっぽい感じになるよね
- ──K-POPの要素が入ってくるんでしょうか?
- 渡辺:いや、別にそこは意識しているわけじゃないんだけど、EMPiREを始めるときも、どっちかと言うとWACKらしさとは別のところを攻めてみたいと考えていたから、もう1回WACKじゃないものをやってみたいなという気持ちはあります。
- ──EMIだからこそできるようなことも考えているんでしょうか?
- 篠崎:EMIは、日本の音楽シーンを作ってきたバンドやアーティストがたくさん所属しているレーベルなので、そこにWACKのグループが入るのってかなり異質感があって。思い出すと、BiSHがavexに入ったときも、めちゃくちゃ違和感があったんですよ。当時avexと言えば浜崎あゆみや倖田來未やEXILEだったり、そういった意味では今回もおもしろいなって。僕らのスタンスは変わらない気持ちでいます。
- ──ExWHYZをスタートさせるにあたって、それぞれ決意表明をそれぞれいただけますか?
- 赤窄:WACKのグループの中で、これが1番おもしろいとか、これが今1番かっこいいよねって言われるものを作っていきたいと心から思っています。BiSHに負けたくないですね。
- 篠崎:そこは僕も一緒で、とにかくワクワクしたいし、ワクワクさせたい。本当に最高に楽しみにしていてほしいですし、そういったものを提示できるようなプロジェクトとして頑張っていきたいなと思っています。
- 渡辺:一瞬ですけどピストルズがいたEMIと契約できたことがすごくうれしくて。僕の決意表明としては、ピストルズもEMIの曲(「E.M.I. (拝啓EMI殿)))を歌っていたから、めっちゃ売れたら「EMI」って曲を出したいですね(笑)。
